第98回 装苑賞 公開審査会『NEW ENERGY特別賞』受賞者決定
「若い才能を発見し、世に送り出す」の精神のもと、1956年に創設されたファッションコンテスト「装苑賞」。Blue Marbleはそのフィロソフィーに共感し、2022年より【NEW ENERGY特別賞】を設置し参画しています。
去る、6月18日(火)、第98回 装苑賞 公開審査会が開催されました。
第98回装苑賞において「NEW ENERGY特別賞」に選ばれたのは、フリーランスの中尾詩夏(なかお しいか)さん。「粒子の服」をテーマにテグス1本1本に液体ゴムをつけた粒を何層にも重ね合わせ立体的に表現し、神秘的で曖昧な美しさを感じる作品に仕上げた。
中尾詩夏(なかおしいか)
2018年 多摩美術大学 生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻 入学
2022年 多摩美術大学 生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻 卒業
同年 フリーランスのデザイナーとして活動開始
2022年-2023年 ここのがっこう、Amitに通う
テーマ:「粒子の服」
3Dスキャンで得られる点群データからインスピレーションを受けて制作しました。
点群は、見かけは立体物のようですが、実際は無数の小さな点が集まることで立体的な形を成します。この形のない魅力、点が集まってできる神秘的で曖昧な美しさが、私たちの想像力を掻き立てます。
この点の集合体を服に取り入れることで、身体と服の境界を曖昧にすることを目指しました。
素材は、テグス1本、1本に液体ゴムをつけた粒を、何層にも重ね合わせ立体的に表現しました。それぞれの粒が互いに影響し合い、その時にしか現れない形を作り出すことができます。
「若い才能を発見し、世に送り出す」 それが装苑賞の精神です。 装苑賞は、昭和 31 年に、日本で初めてのファッション界の新人賞として創設されました。この賞は 戦後いち早く、デザインの重要性と、新人デザイナーの才能の芽を育てることの必要性を感じた先達の知恵から生まれました。その後 60 年以上の永きにわたり、多くの審査員の先生方の御協力を得て98回で97名の受賞者を世に送り出してまいりました。