ASIA.005
2023.07.02

プレイベント開催レポートvol.3 -インドネシア編 Ignatius Hermawan Tanzil氏【新たな参加型クリエイティブアクション Another Perspective】

次世代クリエイターを見出し世界へ発信する、参加型応援プロジェクトがいよいよ今秋より始動。
それに伴い、今年2月にアジア4カ国のクリエイティブシーンにおけるキーパーソンが来日し、NEW ENERGY TOKYO 2月展でプレイベントを開催。約250ブランドのニューエナ出展者から、キーパーソン4名がそれぞれの視点でグローバルに活躍して欲しいと願うクリエイターを選出しました。(プレイベント概要はこちら
レポートvol.1(選出結果)はこちら
レポートvol.2(中国編)はこちら

vol.3はインドネシアのIgnatius Hermawan Tanzil氏のレポートをお届け 。選んだクリエイターはCircular Cotton Factory(サーキュラーコットンファクトリー)。インドネシアへと越境し共創いただくためのヒントやきっかけとなることを願い、なぜ、インドネシアでの活躍を願うのか?活躍できると思ったのか?を聞きました。


Indonesia

Ignatius Hermawan Tanzil / イグナテイウス・ヘルマワン・タンジル
LeBoYe design & DiaLogue artspace Creative Director

portrait Ignatius Hermawan Tanzil

<選出した出展クリエイター>
Circular Cotton Factory(サーキュラーコットンファクトリー)
https://www.circularcottonfactory.jp/

『捨てられる衣服から紙を作る』をテーマに、繊維の端材から再生紙を開発しています。
繊維廃棄物が世界のゴミの14%を占め、毎年137万トンが廃棄されています。
これではいけない。
大切に物を扱う日本人の精神を今こそ奮い起こして、次の世代へ繋ぐ為にもゴミを無くしていきます。
そして、使うことが誇りになるような個性ある紙たちを作っていきます。

CCF代表の渡邊智恵子は、1995年から脱脂綿を製造する工程で排出される落ち綿を使い、再生木綿紙づくりをスタートしました。その結果、落ち綿20%、木材パルプ80%を使用した印刷適性の良い洋紙の製造に成功しました。これまで、日本オーガニックコットン協会のパンフレットや ( 株 ) アバンティの名刺、封筒、パンフレットと幅広く活用してきました。
その経験を活かし、世界中で破棄される膨大な繊維ゴミを資源として活用するために、2021年9月、仲間と共に一般社団法人CCF(サーキュラー コットン ファクトリー)を設立しました。

ccf front
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繊維ゴミを紙にする実績 1
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繊維ゴミを紙にする実績 2
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繊維ゴミをリサイクルした再生紙によって作られている、ねぷた祭りの一つとして知られる、五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)に出陣した、「牛若丸 」という立佞武多
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2022年 ねぶたの廃材をアップサイクルして完成したNEP*ART TREE (ネップ・アートツリー)


インドネシアの最近の社会的な状況について
現在、インドネシアは世界で4番目に人口が多く、購買力平価(PPP)において10番目の経済大国です。私たちは今、パンデミック後の生活に適応している最中ですが、街の様子はまるで全てが元通りになったかのようです。また、2024年には首都がジャカルタから東カリマンタン州に首都への移転が開始され、ジャカルタは正式に首都の称号を失うことになりました。 

主な選出理由
circular cotton factory (以下、CCF)は、サステナビリティをタグラインにもつ ” 他にはない” ファクトリーです。未来への不安と希望に満ちたこの特別なブランドは、日本のより良い未来のための解決策を見つ け、実行しようとしています。 

作品やクリエイターについての第一印象
私たちの第一印象は、クリエイターには「創造する」だけでなく「再発明」という特別な使命があるということでした。ゴミや廃棄物から宝物へ、より良い何かに生まれ変わらせるのです。 

インドネシアにおいて紡ぐべき社会文脈 
インドネシアにおけるデザイン、建築、文化、芸術分野において地球環境の持続可能性にフィットするでしょう。 

インドネシアで愛される存在となるためのキーポイント
インドネシアでは、日本の持続可能な取り組みを知りたい、学びたいと思う人がたくさんいます。特に繊維廃棄物を処理し、必需品の新素材にすることをぜひ学びたいと考えています。私たちは、インドネシアで CCFの取り組みを紹介することで、インドネシアの人々が過去考えたことのない斬新な、さらに、animal rights(動物の擁護運動)と共存したオーガニックコットンを実現できると思っています。 

インドネシアで愛される存在となるために変化させるべきこと / 変化させないほうが良いこと 
何も変える必要はありませんが、インドネシアの市場は、良い製品だけでなく、その背景にあるストーリーが大好きなのです。 私たちは日本のすべてを愛しています!CCFが日本のデザイナーやアーティストと共創することで日本らし い作品を創れば、間違いなくインドネシア市場で大きなインパクトを与えることができます。シンプルでありながら、強いコンセプトを持つという日本らしい手法で、ユニークなものを創ることができれば、さらにそのインパクトは大きくなるでしょう。 

インドネシアで共創したいこと
インドネシアのデザイナーやアーティストと共同でCCFの製品を用いた作品を創り、アート / デザイン分野における合同エキシビジョンを開催すると同時に、CCFの製品の背景にあるストーリーを伝えていきたいと考えています。2023年11月に開催したいと思い、現在この展覧会のコンセプトを練っています。 

次回は韓国編 Woochi Jeon氏のレポートをお届けいたします。

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